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武庫川女子大学 英語文化学科/英語キャリア・コミュニケーション学科 【 清水利宏英語スピーチ相談室 】
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「英語プレゼンテーション(public speaking)」における3つのヒント (その3) 〜 授業課題やお仕事で 英語プレゼンテーション をされる皆さんへ 〜 |
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(3) 聴衆に語りかけていること。
聴衆はとてもワガママな存在です。まず彼らは、退屈な時間を過ごしたくありません。どこかで聞いたような話は聞きたくありません。原稿を棒読みされるくらいなら、その原稿を手にとって自分で読んだほうがマシだと思っています。おまけにヘタなプレゼンは見たくない。あえて言うなら、あなたのプレゼンには興味すら示していないかもしれません。ビジネスシーンでのプレゼンを例に挙げれば、聴衆の中で、あなたのプレゼンを好意的に聞いてくれる人のほうが少ないことは何も珍しくありません。聴衆は、「敵」ではありませんが、皆さんの「ファン」でもありません。そのことをまず理解しておけば、原稿を音読するだけのプレゼンが「聴衆にとって」いかに退屈であるかが理解できるはずです。原稿ばかりに目をやってはいけません。視線(eye contact)は常に聴衆へ向けてください。話者から目線を向けられれば、聴衆は「自分に向けて話してくれている」と気づいてくれるはずです。
また、PowerPointの操作については、ワイヤレスでスライドをコントロールするための、「ワイヤレスポインタ」(USB接続)という商品が市販されています。これを使うと、パソコンやマウスを操作するために聴衆との目線を離す必要もなくなり、より一層アイコンタクトを維持しやすくなります。まだ使ったことがない人は、機会があればぜひ試用してみると良いでしょう。
「目はクチほどにモノを言う」ということわざがありますが、プレゼンでは、目はクチ以上にモノを言うやっかいな存在です。話す内容を忘れてしまって、無意識に天井や床を見る人はいませんか?
残念ながら天井や床には原稿は貼りついていません。英語のプレゼンテーションやスピーチのコンテストでよく見られる光景ですが、発表者の一瞬の不安定な目の動きが、その人の自信の無さや準備不足を露呈してしまうことがよくあります。そもそも、これは日頃から聴衆とのアイコンタクトを取るクセをつけておけば、このような「失敗」は起こりません。どのような機会でも、聴衆の目を見て、ひとりひとりに語りかける気持ちを常に忘れないことが大切です。 先ほど、スライドの文字は大きなほうが良いと述べましたが、小さな文字を使うと、スライドに「話す内容」(ほぼ完全原稿)を書いてしまうという失敗が起こりやすくなります。そうなると、発表者はスライドばかりに目をやって「朗読」し、聴衆とのアイコンタクトを忘れてしまいがちです。また、スライドの内容と話す内容がまったく同一の場合、聴衆にとっては、変化のない退屈なプレゼンになります。これでは紙の原稿を朗読しているのと何ら変わりません。スライドの記述と、口述内容の一致の程度については様々なパターンがありますので、指導者や先輩方のアドバイスを受けてください。繰り返しになりますが、プレゼンテーションは、常に聴衆のためにあるものです。とにかく発表さえすれば良い、というような自己満足の情報発信ではありません。
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